アマグリ村の
平和を乱す奴は
僕達はツムジくんは「超ビビリ」だと思っていた。
その日までは‥。
ツムジくんが我が家に来てから、知らない人が訪ねてきたらどこかに隠れて出てこなくなっていましたし、プリッツエル王子が我が家に来た時も、いじめられて逃げ回っていました。
この家に引っ越してきた時も家に馴れなくて3日も4日も何も食べずコタツの中から出てこなくて、死んでしまうのではないかと本気で心配したものです。
新入りのあまぐり君がタックルしてきても「参った、参った」といった感じで逃げ回っていました。
「ツムジくんはあまぐり君より大きんだから、 やっつけたらいいのに」と言っても抵抗もせずに逃げてしまいます。
でも本当は勇敢でとても強かったのです。
我が家の家の周りには脱走防止用のネットが張ってありますが、以前から外からの侵入に弱いセキュリティホールが有りました。実際「家庭内野良猫」のみよ子お嬢さんは子猫の時に外から侵入してそのまま居座ったネコちゃんです。
ある日どこからか、オスの黒猫が我が家に侵入してきました。身体はツムジくんよりはるかに大きく筋肉質でとても眼が鋭く強そうでした。
その猫を発見したツムジくんは逃げるかと思いきや、驚いたことに自分より大きなその猫に疾風の様に襲い掛かりました。
第一監視所からツムジくんと黒猫はお互いの毛を舞き散らせ転げ落ちましたがツムジくんはひるまず、逃げる黒猫を追い掛け回し撃退しました。
ツムジくんは我が家にプリッツエル王子がやって来ても、あまぐり君がやって来ても喧嘩をする事なく、どちらかと言えばとても弱く見えました。
でもそれは僕達が連れてきたネコちゃんだから、家族として受け入れていたんですね。
ひとたび「アマグリ村の仲間たち」に危険が及んだ時にはニャンシロウのように、皆を守る為に身の危険をかえりみず、外敵に果敢に挑んでいくツムジくんでした。
その後は何事もなく、プリッツエル王子やあまぐり君がチョッカイをかけて来ても「参った、参った」と逃げ回る、何時ものツムジくんに戻っていました。
これで天国のアマグリ村長も安心している事でしょう。
あまぐり君が安心して眠れるのも‥
プリッツエル王子が安心して眠れるのも‥
そっと見守っていてくれるツムジくんのおかげかもしれませんね。
一方、我が家では黒猫の正体はみよ子お嬢さんの父親ではないかと、噂されています。(=^・^=)