手に持っていたジュースを飲み干し、ビンの置き場に困ったが自然の中に捨てるのもかなり気がひけるので、私は仕方なくこのビンを手に持ったまま山を登る事にした。しかしこれが私達の命を助けてくれたと言っても過言ではない出来事が起こった。

山に足を踏み入れた当初は、あまりの美しさと開放感ではしゃぎ回りおどけた格好で写真を撮った。

 

まさかこの山奥にひそむある危険な動物が棲んでいたとも知らず。

山奥に進むに従って道は幅50cmほど、両サイドには針葉樹がズッシリと立ち並んでいる。しかし500mほど進むとほどなく小高い丘に着いた。その一面にはマーガレットの花が咲き乱れ、もう私は寝ころがるしかなかった。

「何て、何てきれいなの!!」再び少女に戻った。2人供感激屋なので花となるとすぐ子供の様に転げ回るのだ。「来た甲斐があったね」

お花に囲まれ夢見心地でいたが、湖へ行かなければならないので、後ろ髪を引かれる思いで、その場をあとにする事にした。