恐怖のコンパートメント(スペインからイタリアへ)その4 [旅行]
友人達に支えられ、愕然とした彼女の姿に私は叫びたかった。
「あれ程言ったじゃないか!ヨーロッパを甘く見ているからこうなるんや。
あんたらも大変やけど面倒をみなあかん私はもっと大変なんやで。
しかもあんたら二人をほっといて他の人達は旅も出来ないし、結局皆を巻き込んでどうしてくれるん?泣くな!責任とれ!」
こういった言葉が私の脳裏をグルグル回る。しかし言えない。顔にも出せない。私は冷静になって声を押し殺し
「これから旅が大変になってきますが、二重の災害を避けるためにも、皆さん心を引き締めてください。明日着くローマで警察に被害届けを出しに行きます。勿論皆さんにも同行していただきます。」
すると小学生の子供二人を連れたお母さんがこういった
「エーッ!そうしたら、この旅を一番楽しみにしていた中田選手のいるペルージャには息子たちも行けなくなるんですか?」
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